スポーツ走行(8月7日)
作成日:99/08/19
更新日:99/08/19

明けて8月7日、土曜日。俺が今日1本目に走るのは午前11時30分からのプロダクション。誰よりも遅く起き、東ピットへ。

プロダクション1本目走行前

9時50分から、プロダクション1本目の走行が始まった。続々とピットアウトしていくST団。楽しそう。
1周して、てんちょがピットへ帰ってくる。ピットロードにバイクを止めず、ピット内まで入ってくる。

俺:「どうしたんすか?」

てんちょ:「なんかフロントがグラグラする。ホイール換えまぁ〜す。」

俺:「えぇっと、ホイール交換、ホイール交換っと・・・。」

工具を探していると、てんちょに肩を叩かれる。

振り返ると、苦笑とも爆笑とも例えられない笑いを見せながらフロントホイールを指差すてんちょ。

てんちょ:「ビード、上がってない。」

俺:(爆)「そりゃ、グラグラもするわっ!」

フロントタイヤのビードが片側だけ上がっていなかった。これでよく1周走ってきたもんだ。と妙に感心する俺とアキラ。

それならばとホイールを履いたままエアを入れ、ビードを上げる。空気圧を計り、再度ピットアウトしていくてんちょ。

又1つ、伝説が出来た。


みんな順調に走っている。楽しそうだ。プロダクションの走行が終わった頃、予約していた走行券を買いに行く。空を見上げるとなんだか嫌な予感がしてくる・・・。

午後の分も一緒に買い、コントロールタワーを出る。その瞬間、大粒の雨が落ちてくる。

俺:「な、なんでやねんっ!」

急いでピットへ戻る。俺が券を買うと何故か雨が降ってくる。昨日と同じ状況。かなりやる気が失せた。


走る予定だった11時30分からのプロダクションが始まる頃、やっと雨が上がる。当たり前だが、路面はウエット。

この路面の中、ウエットが好きなのか団長に喝を入れられたのかは知らないが、まずピットアウトしたのがじゅん。
東コースが始めてなみのも、ショートカットの確認にピットアウト。バイクのカッティングシート貼りに余念が無かったすぅも遅れてピットアウト。

路面は急速に乾いてきている。走行時間も終盤になり、最初走るつもりじゃなかった俺も昨日のトラブルが気になり、確認の為ピットアウト。
ステアリングダンパーを3ノッチ緩め、コースへ出て行く。

コースインしてすぐ、ダウンヒルストレートを下っていると、90°コーナー左側にバイクが倒れている。その傍らに立っているのは・・・。

俺:「ありゃ!じゅんじゃん!あいつ転んじゃったのかぁ。カウル新品なのに・・かわいそぉ〜。」

じゅんに手を振り、2周ほどしてチェッカーを受ける。コーナーは全然攻める事が出来ず、チェックの為だけに走った1本となった。VTRでウェットを走ったのはこれが始めてだ。奇麗だったバイクも一気に汚くなった。ちなみにタイムは2分40秒。念の為付け加えておくが、ここは東コースだ。

俺:「プラグ、おっけーでした・・・。」

おーた:「はい・・・。」

暫くしてじゅんがレッカーに乗せられて帰ってきた。

転んでも元気なじゅん(いつも一番元気なのはてんちょ)

草まみれになったじゅんのNSR



そして昼休み。大阪から手先の器用な職人が来ているので、VTRの壊れたシートカウルのFRP補修をお願いした。

談話するじゅん、もり、Kure、てんちょ

FRP補修中のえ〜ぼ

くつろぐKure、もり

FRP補修中のえ〜ぼ

昼休み、終了。



午後からの走行はトシから。2時20分からのプロダクション。雨はもう降る気配を見せない。
続々とコースインするST団にまみれ、トシもコースイン。

1周目、1分42秒で通過するトシ。しかし、それから2分以上が経過しても帰って来ないトシ。間もなくして赤旗中断。

嫌な感じだ。ついにやっちゃったのか?心臓がドキドキし、緊迫感が漂う。

赤旗で、てんちょもピットに帰ってくる。コースの状況を聞きに駆け寄る。

てんちょ:「5コーナーでトシ転んでるよ。でも人間もバイクも無事みたい。」

俺:「あ。はい。そうすか。」

プラットフォームに戻り、おーたへ報告する。

俺:「5コーナーでやっちゃったって。」

無言で頷くおーた。

俺:(それにしても、転んだのに人間もバイクも無事ってのは・・・?)状況が知りたい。

暫くし、VTRの音が聞こえてくる。

俺:「あっ。帰って来た!」

ピットインしてくるトシ。

トシ:「すいませ〜ん。カウル傷付けちゃいました。」

コースアウトした後に立ちゴケした程度の転倒だった。ステップもレバーも無傷。まったくヒヤヒヤさせられる。

俺:「何?どうやって転んだの?進入?」

トシ:「いや、立ち上がりではみ出した。」

俺:「立ち上がり?開けすぎ?」

トシ:「あぁ。いや、立ち上がりでアクセル開けてないんだけど、はみ出しちゃった。何処までいけるかブレーキング試してたんだけど、止まれなかった。」

本当、アグレッシブな奴だった。

再びグリーンシグナル点灯。全車コースイン。

さすがに今度は押さえて走ってるらしく、タイムは39秒から41秒の間。終盤に入ると38秒代までペースを上げ、最終ラップは38秒フラットで走行を終える。

走行を終えたトシはエンジンの不調を訴える。最後のほうでエンジンがばらつき始めたと言う。昨日と同じ症状だ。

とりあえず、続いてレーサークラスの走行に出て行くおーた。

1周目、39秒で通過。確かにストレートで変な音を出して走っている。やばい。
2周目は38秒。やはりおかしい。3周目にピットイン。

プラグキャップを締め直し、再度コースインするおーた。しかし、1周して帰ってくる。

おーた:「ダメ。さっきよりひどくなった。これじゃちょっと走れない。」

やむを得ず、ピットにバイクを入れる。この次の走行は俺の番。今日最後となる。
走行時間までの間、え〜ぼにプラグの接続端子とプラグキャップを徹底的に見てもらう。
てんちょ@元VTRオーナーがプラグキャップとプラグコードの断線を発見!それもえ〜ぼに修理してもらう。

そして本日最後の走行。4時丁度、プロダクション走行開始。

コースインした瞬間、ダメだと分かった。8,000回転付近でばらつき始め、そこからスムーズに回っていかない。

40秒で2周した後、どうしようもなくなり、ピットへ戻る。プラグキャップを入れ直してもらい、再度コースイン。

ババッ バッバッ バァァァ バッバッ

俺:「くっそぉぉぉぉー。」

悔しかった。なんとか34秒に入れたかった。走らないバイクを無理矢理ごまかしながら走らせる。
サインボードのタイムは38秒。3周した後、ついに観念し、ピットへ戻る。

俺:「ダメ。同じ。」

本日全ての走行が終了した。



症状としては、8,000回転付近から一瞬ずつ火花が飛ばなくなっているような感じ。静止状態のレーシングではこの症状が出ない為、振動によるもののようだ。どうやら一番厄介な電気系統らしい。
ハーネス、コネクター、コイル、プラグ周り。その他電気系と呼ばれる個所を全てチェックしたが、原因不明。ここへ来て深刻なトラブルを抱えた俺達。昨日の問題はまだ解決していなかった。

しかしこの憂鬱な気分も、そう長い時間続く訳では無かった。

バッテリーの電圧を測ろうとした瞬間、原因は解明された。バッテリーのターミナルに、ハーネスを止めてあるボルトが緩んでおり、これが走行振動で接触不良を起こし、ある決まった振動域でプラグの火が飛ばなかったのが原因と判明した。

原因が分かり、安堵感に包まれる俺達。(苦笑)





トシとえいじは今日で帰る。残りのメンツ全員で夕飯を食い、コンビニへ寄った後、車を挟んで宴会。別にいいんだが、野郎ばかり10人だ。


夜遅くに弾丸とはにーが到着する。ST団にとって、明日はいよいよもてぎ選手権第4戦となる。


セッティングデータ
ノーマル今日のセッティング
サスペンション
(フロント)
突き出し0o7o
油面130mm130mm
イニシャル4目盛り3+1/2目盛り
ダンパー最強から1回転戻し最強
サスペンション
(リア)
車高0o5o上げ
イニシャル最弱から2段目最弱から3段目
ダンパー最強から1回転戻し最強から1/2回転戻し
メインジェットF165、R162(国内仕様)F175/R178

今日のベストタイム
トシ1分38秒04
HIRO1分38秒10
おーた1分38秒17

昨日に引き続き、トラブルや雨に祟られた1日となった。東コースの走行は今日で終わり。残る練習は来週の11日と12日のフルコース。スポーツ走行はそれで最後だ。いよいよ佳境を迎えた感がある。

現時点でフォークの底付き感が否めないVTR。重要なブレーキングでネックとなるだけに、これだけはなんとかしたい。
この問題を解決すべく、次の練習までにコワースからリリースされたレーシングスプリングを入れる事にした。
こいつに最後の望みを託す。これでダメなら予選通過はかなり遠くなる。

〜 今日の教訓 〜

・ビードは上げよう!

以上

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