第1回公開練習(6月18日)
作成日:99/07/09
更新日:99/07/13

6月17日水曜日。明日はもて耐の第1回公開練習日。もて耐のエントラントが参加資格となっている為、来るライダーは当然全員がもて耐を走る人となり、今年の様子を伺う事の出来る最初の機会である。

しかし時期的に梅雨真っ只中。天気予報も全開雨。走る気がしないと言うより雨なら走らない。
仕事は前もって休む事にしてあったし、仮に走ったとしても無料で走行出来る為、整備日と割り切り、もてぎへと向かう。

18日へと日付が変わる頃、北ゲート前へ到着。約80チームが参加希望しているとの前評判を聞いていた割には、この時間になっても2,3台しか止まっていない。

俺:「ぉう?少ねーなぁ。」

goma:「もう、みんなパドック入っちゃってるとか?」

去年も似たようなシチュエーションで恥をかいたが、予選前日は入れた事が頭を過ぎる。それに公開練習の入場許可証には6月17日〜18日と書いてある。

俺:「ダメ元で行ってみんべ。」

駐車しているトランポを横目にゲートへ向かう。

俺:「こんばんわぁ〜。」

警備員:「はいこんばんわぁ。今日はもぅ入れません〜。」

慣れた感じで流れるような口調のおじさん。

俺:「そっすよね。ども。」

すごすごとバックし、駐車しているトランポの横へ車を止める。

俺:「またやっちゃった。分かってんだけどやっちゃうんだよなぁ。」

それにしても久しぶりの車中泊だ。多少窮屈ではあるが、昔からの習慣からか、やはりサーキットに来たって雰囲気が出る。

ついに降り出した雨音の中、眠りに就く。



朝6時半に目が覚める。小降りではあるが、やはり雨。隣には、寝ている間に到着していたおーたのトランポが止まっていた。
7時のゲートオープンと同時にパドック入り。コントロールタワー側のピットから埋まって行くトランポを横目に、いつも利用している31番ピットへと向かう。

今日はKLEVERのKureとじゅんも来る予定となっている。
ゲート前でKureのトランポを見かけたが、寝てたら悪いのでそのままにしてきた。参加受付が始まる30分前位に電話すりゃいっか。などと思っている所へじゅんから電話がかかってくる。

コンビニで買ってきた朝飯を食い、走るつもりは無いが、一応参加受付を済ませておく。

整備をしに来たまるっきり緊張感の無い俺らと違い、じゅんはこの雨の中、自分のST用NSRを走らせる。
今日の参加車両は各チーム1台と限定されているだけで、車両規定は設けられていない。

レインタイヤに履き替えるじゅんと、それを手伝うKure。
2人の愛情は本物だ。



今日の整備項目。まずはエアークリーナエレメントを輸出仕様に変更し、それに伴いメインジェットも99年型輸出仕様と同じF170/R175に変更する。これで吸気系は完全に輸出仕様となり、セッティングが合えばVTRのフルパワーを手に入れる事が出来る。

あと、前回の走行後に発覚した整備不良。フロントフォークオイルの油面調整を再度行う。

それはアキラの病院へ見舞いに行った帰り道の事・・・。

































おーた:「あ。そーいや、俺フォークの油面、計り間違えてたみたい。」

俺:「あぁ、この間換えた奴だよね。」

おーた:「うん。あれからマニュアル見てたら間違ってた事に気づいて・・・今の油面だと2センチ位高い。」

俺:「2センチって・・・それってまさかロッドを上げて計ったとか?(汗)」

おーた:「そうそう!正解。ロッド分で2センチくれーだろ。(爆)」

俺:「あ、あのな・・・。ほんじゃ、ノーマルよっか1センチ上げで計ったから3センチも高い油面で走ってたんかい。」

おーた:「まっ、そーゆー事になるな。(キッパリ)」

俺:「そうすか。(笑)」

































正直、ちょっとだけホッとした。この前の走行では初期旋回がダメな所か、タイムも出てないのに高速コーナーの立ち上がりでフロントが外へ逃げて行く症状が出ていた。今の自分にはあの状態であれ以上の大幅なタイムアップが望めそうもない事を真剣に悩んでいた。



9時45分から15分程、ブリーフィングが行われる。今日の走行は午前の部が10時30分から12時30分まで、50分×2本。2時間のインターバルをおき、午後の部が14時30分から16時30分まで、50分×2本。午前、午後ともに100分ずつ、合計200分も走れる。

10時30分からの走行が開始され、雨の中、まばらではあるが次々にピットアウトしていく参加者達。
レインタイヤに交換したじゅんも出動する。

のんびりとピットで整備を続けながらふとモニターを見ると、ファーストアンダーの下で雨の当たらない所にバイクが1台止まっている。やがてライダーはバイクを降り、ガードレールにバイクを立てかけたかと思うと、そのガードレールを越えて通り過ぎる他のバイクを眺めている。

俺:「あ〜・・・。ん?あれ、じゅんじゃねーの?」

よーく見ると、じゅんだった。少しの間コースポストのオフィシャルと話しをしていたかと思うと、又エンジンをかけ、再び走り出した。

俺:「な・・・あいつ、何やっとんじゃ。(笑)」

後で本人に話しを聞くと、雨の中走るのが辛くなり、ピットへ戻りたかったが、鬼監督に怒られるのを恐れ、雨の当たらない所で時間をつぶしていたそうだ。

勿論、ウソである。

じゅんは雨の中、楽しそうに走り、午前中の走行が終了した。



昼休み。暇なのでにコースを散歩しに行く。


グラベル走行車。どーでもいいけど、凄いよね。

今年もここからドラマが始まる。(なんちゃって的)

2コーナーからのストレートを歩いただけで、もう雨は降ってるわ寒いわでピットに戻りたくなる。3コーナー手前からピットロードに通じる道があり、そこからピットに戻る事にする。
1人で3、4コーナーを見に行くおーた。


車検場を通り過ぎると、29位まで表示されるタワーがある。
去年、一瞬だったけど、29番目にゼッケン78が表示されていた事を思い出す。



午後の走行が始まった。当然、雨は降り続いている。整備も終わり、やる事も無くなった為、最終コーナーでじゅんの走りを見学する。

午後の走行が始まった。当然、雨は降り続いている。一通りの整備が終了し、VTRのエンジンをかけるおーた。
それをぼけぇ〜っと眺めながらタバコを吸う俺。VTRのエンジン音がピットに響く。

俺:(なんか音が大きくなったよーな・・・。)

俺:(まぁ、吸気系いじってたし、こんなもんだっけかな・・。)

俺:(しかしミスファイヤーが多いな・・・まだエンジン暖まってねんだろーな。)

ちょっとおかしいとは思ったが、この時はそれ以上気にする事も無かった。

3時を過ぎた頃になると、雨が一旦止みかけるが、ウエットに変わりはない。

しかしその状態のまま暫くすると、徐々にレーシングラインだけは乾いてくる。全体的なコース状況はライトウェットな感じ。
プロダクションタイヤでピットアウトしていくチームも増えてきた。

おーた:「最後、ちょっと走れそうだな。」

俺:「うん。走ろう!」

そう決めたのが全走行終了の約1時間前。フロントにはGRPを入れていた為、まだ溝の多いD207Fを履いたスペアホイールへと交換する。

のんびりムードが一転、走ると決めた瞬間から緊張し始める。速効でホイールを交換し、つなぎに着替える。

ホイール交換。

おーた:「8周で戻る。」

そう言ってピットアウトしたのが走行終了40分前。もう1人20分ずつしか走れない。

ピットアウトしていくおーた。

つなぎに着替え、プラットフォームに行くと、丁度ホームストレートを通過するおーた。えみゅ〜による計測開始。
慎重に走っているのか、なかなか帰って来ない。やっと最終コーナーに1周してきたおーたのVTRが現れる。
ホームストレート通過。

俺:「あいつ、全開にしてねーなぁ・・・。タイムは?」

えみゅ〜:「3分。」

俺:「えっ?さ、3分って・・・。」

えみゅ〜:「これどうやってボードに出せばいいんでしょうか?(汗)」

俺:「そ、そうね。まぁ、普通に出しときゃえーんでないの。まさか2分フラットとは思わねっしょ。」

その後2周に渡り3分弱なタイムで走るおーた。
4周目、明らかに異常と分かる爆音をたててホームストレートを通過するVTR。

俺:(こ、壊れやがった。)

俺:「バイク壊れた!ピット入るからもうボード出さなくていいよ。」

やがてピットインしてくるおーた。


俺:「どうした?」

おーた:「ん〜。なんかバイク全然走んない。音おっきくてアフターファイヤー凄いし。」

俺:「ま、とりあえず入るべ。」

おーた:「走んないの?」

俺:「走んないのって、走れないがな。(汗)」

一旦切ったエンジンを再度かけ、爆音の原因を探る。
それにしても凄い音だ。どうやらエンジンの下の方から聞こえてくる。


Kure:「あっ。穴。穴開いてるよ。」

第一発見者のKureが叫ぶ。

俺:「ウソ!マジ!?どこどこ?」

見てみると、エンジンの真下を通るエキゾーストパイプにデッカイ穴が開いていた。

全員、状況を理解し、終了〜。

つなぎに着替え、出動準備していたのに、緊張の糸が切れた。

結局走れなくて残念な俺。

問題の穴。



普通に走ってるだけで、世界に名だたる1流コンストラクターのチタン製エキゾーストパイプに、これだけ大きな穴が開くとは考えにくい。
〜原因〜
随分前にVTRをトランポに積む際、フロントタイヤが荷台に乗った所でラダーレールが外れた事がある。
リアタイヤは宙に浮いた状態となり、リアの車重を支えていたのがこの穴の開いてしまった部分だったのであろう。
外側から強いストレスを与えられ、走行する毎に少しずつクラックを広げ、先程の走行でついに穴を空けてしまったと想像される。
前回の走行で気になっていた、エンジンの無力感やタイムも出てないのにアフターファイヤーし始めた事にも説明が付く。

次の走行までには修復し、今度こそタイムアタックだ。あの遅かったFZRのタイムにも満たない状態で生活するのは健康にも良くない。

次回走行は2週間後の7月2日。そろそろぶちかましておかなければならない時期に来ている。

〜 今日の二言 〜

・雨のサーキットは暇だ!
・マフラー買わねーと。(痛い出費・・・)

以上

[カラーリング(6月26日)]に進む

[’99もてぎ7時間耐久参戦計画]に戻る

[Compus Road Racing]