エンジン乗せ換え(8月14日)
作成日:98/08/18
更新日:98/08/18

12日水曜日の練習から2日経った。

あの日の帰り、壊れたエンジンの修復作業についてミーティングを行っていた。

RSオータの経験からも、原因をクランクと推測し、スペアのFZRからエンジンを移植しようと言う計画だ。

シリンダーヘッドのみ、今まで使っていたものを使用する。

今日はその作業日。アキラとローがRSオータ宅に朝8時30分集合。早速作業が開始される。

エンジンを下ろした状態。下ろしたエンジン。
シリンダーとヘッドは付いていない。

エンジンを下ろされた2台のFZR。


スペアのFZRから下ろしたエンジン。今度はこれを使う。

まず、ヘッドを外す。

シリンダーを外した状態。

新品のピストンリングと交換する。

ピストンリング交換作業。合計12個のリングを交換する。TZのようにはいかない。

シリンダー組み付け作業。当たり前だが、リングが3個ずつ付いているピストンを4つ入れなければいけないので、かなりめんどくさい。

シリンダーヘッド組み付け作業。

カムシャフト組み付け作業。

ヘッドカバー取り付け。

スペアのFZRにエンジンを乗せる。

組み込んだエンジンをバイクに乗せる。

キャブレターを取り付け、タンクを乗せ、エキゾーストパイプを入れる。

そしていよいよエンジンをかける。セルスターターを押す指が心なしか震えている。バイクに向って柏手を打つ。

汗だくのRSオータ。エンジン始動。

「キュルキュルキュル・・・・」一度セルスターターから指を離し、一呼吸入れる。「ふぅ。」

再度、祈りを込め、セルスターターを押す。「キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルボボキュルボボボボボボボボボ

ボワン!ワン!ボボボボボボボボ・・・・・」

エンジンはかかった。エンジン全体をオイルが循環するのを待つ。暫しアイドリング。

そして徐々に吹かしてみる。

「ボワン!ボワン!フォワン!フォワン!フォワン!フォワン!フォゥワン!フォゥワァン!

思わず笑みがこぼれるアキラ。

異音がしないどころか、今までとは明らかに音質が違う。アクセルを吹かすと、フォンフォンと気持ちいい音がする。
アイドリングも「ヒュルヒュルヒュル」と、まるで新車時のメカノイズがする。
最初にこのバイクのエンジンをかけてから、こんないい音は聞いたことがない。

(やった!)蘇った。俺らのFZRが再び息を吹き返した瞬間だった。心の中で拍手を送る。


蘇ったFZR。

夕暮れを間近にし、バイク屋に頼めば@十万の仕事が終了した。



その夜、当然飲みになる。場所はいつもの「酒蔵オータ」。

「やっぱクランクだったんだね。」

「メタルが溶けちゃってたんでしょ。」

それにしてもここ最近、トラブルに悩まされ続けてきた。もうこれ以上のトラブルは無いだろう。全部出尽くしたと願いたい。
そう、レースウィーク中に起こるトラブルを、お金と時間を使った数回の練習で全て解決したと思えばいい。

満足なデータも取れなかったが、ある程度は決めうちで決勝の計画を立てる。

俺達は頑張った。やれる事は全てやってきた。あとは運を天に任せるしかない。

来週の今頃は予選が終わっている。俺らの努力はどんな形として表れてくるのだろう。

話は盛り上がり、日付が変わるまで宴会は続いた。因みにアキラとローは次の日も仕事だった。

復活!俺らのFZR!

以上

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