第2回公開練習−初日
作成日:00/08/09
更新日:00/08/14

8月6日、日曜日。明日の公開練習に参加すべく、アキラと2人でもてぎへ向かう。
日曜日の下り方面は渋滞も無く、夜の10時前にはもてぎに到着する。いつも通り北ゲート前は1台のトランポも止まっていない。ここだけは今回もポールポジション。

アキラと車泊するのは1年ぶりになる。丁度去年の今日はここで朝の4時まで話し込んでいた。

酒を飲みながらうだうだとくだらない話で盛り上がり、夜中の1時をまわった頃であろうか。

アキラ:「そろそろ寝ますか。俺は走らないからいいけどさ。もう3時過ぎてるし。」

HIRO:「はぁっ?まだ1時くれーっしょ?」と時計を見る。確かに3時過ぎてる。

アキラ:「知らなかったの?俺らまたやっちゃってんだよ?」

HIRO:「またやっちゃってるかぁ。なんか去年もこんな事あったなぁ。」

外に出てみると、いつのまにか相当数のトランポが止まっていた。



8月7日、月曜日、朝7時。全開寝不足で、ついでに2日酔い。(去年とまったく同じ)天候はうす曇りで、今回も雨の心配は無さそう。

HIRO:「ん〜。眠すぎる・・・。なんであんな時間まで起きてたんだ・・・。」学ばないと言うより、学ぼうとしてない。

気がつくと既にゲートはオープンされており、トランポが次々と入っていく。眠い体を無理やり動かし、パドックへ入る。

ピットはもうほとんど一杯の状態。かなり奥まで行った真ん中のピットをやっと確保する。

合流したえいじと3人でしゃべっていると、おーた,えみゅ〜組も到着。
暫くしてレスポール組とKure,トシも到着。各自準備を始めるが、俺とアキラはいまいちダルダルモード。

レスポール

今年のKLEVERは去年と同じSDR。Kure,てんちょ,えいじの3人でエントリーしている。てんちょは2日目の明日から参加予定。

KLEVER

今回も3グループに分かれ、各グループ午前40分午後60分の2本。KLEVERがAグループでレスポールがBグループ。CompusはCグループ。どうやらもて耐のグループ分けと同じようだ。


グループ午前走行午後走行
10:00〜10:4014:00〜15:00
10:55〜11:3515:15〜16:15
11:50〜12:3016:30〜17:30

Cグループの俺らは11時50分からなので、妙に時間が空く。まずはAグループKLEVERの出動。

1年ぶりのロードコースへ出動するKure

えいじに交代

SDRにとっても1年ぶりの走行となる。去年は問題無かった車体でも、今年はチャタがひどいらしい。エンジンも同じ仕様だが、セッティングに苦しんでいる。

続いてBグループの走行。レスポールの出動。

じゅん出動

こちらも思うように走ってくれないようで、ピットインとピットアウトを繰り返し、1度もホームストレートを通過する事なく走行を終わる。いつもニコニコしているじゅんの、あんなに険しい表情は始めて見たかもしれない。


A,Bグループの走行時、VTRはバンク角の確保対策として車高を上げる作業を行っていた。
VTRに車高調整機能は付いてない為、アルミ板を加工して車高を上げる。
1oのアルミ板を挟む事によって車高はリンク比で3o上がる。リアに合わせてフロントも2o上げる。

次はCグループの走行。俺らの番。おーたとトシが4周計測で、残りを俺が走る。

おーた出動

計測1周目17秒から。2周目は何故か19秒と落し、3周目に14秒。コースカメラのモニターにはあっちゃこっちゃで転倒したバイクが映し出されている。そして赤旗中断。予定周回より1周早くピットに帰ってくるおーた。
タイムスケジュールは変更しないとの話だったので、この時点でトシに交代する。
再びコースクリアとなり、ピットアウトするトシ。その後、10分延長のアナウンス。
1周目15秒から2周目14秒、3周目13秒。今期の自己ベスト更新。4周目最終ラップを14秒に落し、ピットイン。俺へ交代。ピットアウト。

フロントの2o上げは3耐の公式練習時と同じ仕様だ。その分不安定になりそうな気がするが、この仕様でどこまでいけるか頑張ってみる。

コースイン。タイヤも温まってるので、いきなり全開でいく。
エンジンは絶好調。ヘッドのメンテが効いてるのか、全域でパワーアップしている。5コーナー立ちあがりでは4速に入れるまでフロントの接地感が無い程。9,600だったシフトポイントも10,000回転まで回るようになり、6速まで入っていたストレートも5速で引っ張りきれるようになった。
これ以上無いエンジンに対し、車体は予想していた通り安定感が無くなっていた。いつも通りにブレーキをかけていくと、フロントが左右に振られてしまい、止まる事に神経を使う。ブレーキングに気を取られすぎ、シフトダウンが間に合わず、バイクが大きく揺れて何度か転びそうになる。フロントに加重をかけて入っていけず、エンジンもパワーアップしてる為、フロントは進入から立ちあがりまでふらふらしっぱなし。

HIRO:(き、きびしー。)

進入で無理出来ない為、前のバイクを抜きにくい。1周目9秒、2周目8秒、3周目また9秒、4周目から3周連続で8秒代。比較的クリアだった最終ラップを終え、チェッカー。ピットへ戻る。

アキラ:「最終ラップ7秒9。」

HIRO:「も、精一杯!」

走った印象をおーたに伝えると、元に戻す事になった。

おーたのコメント
車高をF:−50mm,R:+6mmで走った。
倒しこみの瞬間に少し曲がるようになったが、安定性がなくなった。
元に戻したほうがいいと思う。
1周めからS字からヘヤピンまでイエローフラッグがでてた。
4周めに赤旗終了。

トシのコメント
兄貴に言われて気が付いた下半身による旋回の復習
よ〜くわかって、よ〜く曲がった。
Rサスが固いせいか、どこのコーナでもフルブレーキングするとリアが持ち上がる感じで、フラフラしてしまった。

全グループ1本目の走行が終了した。出走計測台数は各グループ29台の合計87台。去年の参加台数111台に比べると少々寂しい感じもする。
これをまたもて耐参加台数184台中、予選通過台数55台の割合で計算すると、総合で26位以内、グループでは8位以内にいなければならない。
午前中の結果だと、CompusはCグループ7位。総合で16位と通過圏内にいるが、全体的にまだペースが遅く、タイム差も大きい。各チームとも午後の走行でどれだけタイムを伸ばしてくるのか。当然、俺らだってこんなタイムで終わろうとは思っていない。



〜〜昼〜〜

Compusに男も女も関係ない。

トシはまだ修行が足りないらしく、かなり熱そうだ。

〜〜昼終了〜〜



午後の走行開始。スケジュール通り、Aグループから。レスポールは結局エンジンを壊し、速攻で撤収作業。

KLEVERの2本目

キャブセッティングによって午前中よりは改善されているらしいが、まだまだこれからと言った感じ。

おーたはセッティングを元に戻している。

HIRO:(あと1o落としたいんだよな・・・。)

3耐は予選からフロントを2o落として走ったが、その時の感覚から、更に1o落として走りたいと思っていた。
今年は極力セッティングに口出ししないつもりだったし、突き出しの変更はライディングに大きく影響する。
俺が1日の最終走行と言う機会にでもやろうと思ったが、前回の3耐で果たせなかった6秒代を今回こそはと言う気持ちも強い。しかし自分にとってのベストセッティングがおーたにとってもベストであるとは限らないし、去年のように貴重な走行を俺個人の興味や方向性で振りまわしたくもない。
しかしあと1o落しと言うセッティングには感覚的ながら自信があった。

HIRO:(でも落とせば6秒出るとも限んねーしな。)

HIRO:(しかしこないだの7秒も結構目一杯だったしなぁ。)

HIRO:(パワーアップした分だけで6秒入るかなぁ。)

HIRO:(あともうちょっと安定するとすっげいいんだけど。)

ぶつぶつと悩んでる間にもおーたの作業は進んで行く。丁度フォークの突き出し量を計測している。

HIRO:(言うなら今しかねーな。)結局欲求が勝つ。

HIRO:「元に戻してるんしょ?あのさ、もー1o落としてみない?」

おーた:「あ、そう?いいけど、もっと早く言って欲しかった。」

おーたは既に左側のフォークを締め終わり、右側のフォークをやっている所だった。



2本目の走行は俺、トシ、おーたの順。俺とトシが8周計測で残りをおーたが走る。俺からトシへの交代で給油を行う。

前後タイヤを新品にする。これを予選前まで使う予定だ。
フロント落として新品タイヤ。エンジンもパワーアップしている。

HIRO:(0.4秒ね。)

3耐決勝のベストタイム7秒3から0.4秒縮めて6秒9。わがままも言ってるし、これだけ条件が揃えば出すしかない。気合が入る。

出走直前。

えいじ:「6秒いくっすよね?」

HIRO:「おぉ。いくよ。」

まるで俺の気持ちを見透かしてるようだ。人に言ってしまったらもう実行するしかない。


走行1分前。いつも通り早めにコースインゲートへ行くが、既に6、7台程並んでいた。コースイン。
8周の計測でタイムを出さなければならない。タイヤの皮むきは1周で終わらせる。

フロントは安定感を取り戻し、車体はバッチリ自分の好みに合っている。3耐の時より更に1o落とした事により、安心して過重をかけていける。

HIRO:(いける。これなら。8周あれば充分だ。)

計測開始から2周程、先にコースインしたバイクの処理に手間取り、1本目の走行感覚も体に残っていた為か、1周目10秒、2周目11秒。
3周目あたりから徐々に感覚を取り戻す。3周目、4周目と7秒中盤。ベスト更新まであと少し。
5周目はまた前車にひっかかってタイムを落とす。

6周目、3コーナー手前5速全開区間で左側から1台のバイクをパス。その瞬間、パスしたそのバイクの更に右側から、俺を含めて2台同時に抜いていくCBR。

HIRO:(お、おもしれーじゃねーか。)

CBRにピッタリとつく形で3コーナーへ進入。4コーナーからのストレートでどんどん離れていく。

HIRO:(はえぇ・・。)

ヘアピンの進入でなんとか追いつくが、ダウンヒルでまた一気に離される。ダウンヒルのブレーキングから最終コーナーまでに近づくが、ホームストレートでまた一気に離される。

HIRO:(・・・。)

6周目クリア。7周イン。サインボードで5周目のタイムを確認。


8−0

   2
えみゅ〜ボード

HIRO:(はちびょう・・・。(汗))

フロントを信頼し、進入スピードを高めていくよう勤める。トップエンドが500回転も伸びた事で5コーナー手前のストレートは6速に入れられなくなり、S字の立ち上がりは3速で引っ張りきった方がよさそう。130Rは4速進入だと減速しすぎてうまくいかない。早めに5速へ入れ、手前で全開にする。最終手前のギアも4速から3速へ変更。
車体とエンジンが変わった事で要所要所のリズム感が変わってくる。7周目の最終コーナーを立ち上がる。


7−2

   L
えみゅ〜ボード

HIRO:(7秒2・・。今のラップで6秒入ったかな・・・。)

どの道これが最終ラップ。この1周で次はもて耐ウィーク突入だ。全力で走ってあのCBR抜いてやる!

この時点でやっと3耐決勝時の走行感覚が戻って来た。各コーナーのギアやリズム感も決まってくる。この周で何がなんでも6秒に入れなければならない。

ダウンヒルストレート。あとは90°と最終のみ。追いかけているCBRは1台のバイクをパスしていく。もうCBRには追いつけない。

HIRO:(やべ。ひっかかっちゃう)

CBRが抜いたそのバイクにはブレーキングまでに追いつけないと、いつものパターン通り、最終で引っかかってしまう。

200m看板を通り過ぎ、バイクを1台分インに寄せ、いつもよりちょい遅らせてブレーキング。フロントもリアも左右に振られる。根性ブレーキングで抜こうとするが、1歩届かない。アウトから先に90°コーナーへ入られてしまう。

ピッタリと後ろへつく。3速へシフトアップし、全開。セカンドアンダーを抜け、スピードを乗せて最終手前の左コーナーでアウトから被せようとする。

HIRO:(あぶねっ!)

今まさに右側から並びかけようとした時、前のバイクは大きなラインを通り、接触寸前。押し出される形でVTRは完全にピットインレーンへ入り、たまらずブレーキング。結果、当然最終コーナーで刺せる訳も無く、相当のタイムロス。これで前のラップに最後の望みを賭けるしかなくなった。
最終コーナー立ち上がりで抜き様、サインボードを確認する。7周目のタイムは?

HIRO:(どうよっ!?)




   P
えみゅ〜ボード

HIRO:(ぴ、ぴー・・・。)

HIRO:(え、えみゅ〜。なんでタイム出てないのん?)

HIRO:(わ、わかった!も出す価値も無い程遅いタイムだったんだ。)

HIRO:(俺ひょっとしてまたやっちゃったんだなぁ。最終ラップなんかあんなロスしてて6秒出る訳ねーし・・・。まいった。)

ライダー交代なので泣きながらも全開で1周し、ピットに戻る。

バイクから降り、トシと交代。ピットに入るが、恥ずかしくてヘルメットも脱ぎたくない。

えいじ:「やりましたね!」拍手しながらニコニコ顔で出迎えるえいじ。

HIRO:「あ?ん?なにが?」

えいじ:「6秒入ったじゃないすか!」

HIRO:「えっ?まじ?」

モニターを見ると、6秒921で7番目。7周目に出したタイムだった。

HIRO:「なんだ7番手か。みんなはえーな。」

えいじ:「でもさっきまで6位だったんすよ!」

HIRO:「そっか。」あくまでもすかし顔を崩さず、ヘルメットを脱ぎ、Tシャツに着替える。

HIRO:(・・・よ、よかったぁ。ぎりちょんで6秒入ってたんだ。)完全に諦めてたので、ホッとした。

おーた:「お疲れ!出たね!」

HIRO:「おぉ。」



序盤こそ14〜15秒で周回していたトシはその後順調にタイムを伸ばし、最終ラップとなる8周目には去年の自己ベストをも塗りかえる11秒6をマークし、おーたへと交代する。

トシのコメント
3,4周1台のバイクにからまりながら走っていて、なかなか抜けない。5コーナのブレーキングで並んだが、進入付近であっという間にかわされた。
進入と旋回中スピードの遅すぎに気が付いた。コーナーリング中毎回後悔しながら立ち上がる自分が情けない。

1周目から12秒と最初からハイペースなおーた。気合のほどが伺える。5周計測でチェッカーとなり、最終ラップの12秒1をベストに走行を終える。

おーたのコメント
車高をF:−53mm,R:+5mmで走った。
バンクしてから、曲がり始めまで少しタイムラグを感じるが、安定性、旋回性、コントロール性とも良い。
バイクの動きに体がついていってないが、ライダーのやる気をおこさせる、いいセッティングだとおもう。
これで行こう。
もうちょっとオーバースピードでコーナーに入らないとバイクのいい部分を生かせないと感じた。

今日全ての走行が終わった。2本目の結果を見ると、やはり1本目の走行よりは全体的にタイムも上がり、CompusはCグループ9位。総合で24位とこれまたぎりぎりセーフな位置で終わる。
国際の第3ライダーも走っているだろうが、今日はエントラントの半数しか参加していない。

3耐や今日の結果から、国内ライダーのタイムで予選採択される事を考えると、8秒前半と言う予測も立てられる。
現役の国内ライダーは何秒まで詰めてくるのか?降格した国際ライダーは何秒出すのか?結局去年も予測値からはかけ離れた所にボーダーがあったし、はっきり言って実際の所何秒になるかなどの予想は難しい。

俺とアキラは今日のみの参加。残念だが、2日目の公開練習には参加出来ない。個人的な次の走行はもて耐ウィーク初日となる22日火曜日。一応は7秒を切ってのウィーク突入となるので今回も皮一枚つなぎとめた格好となるのか?
まぁ、ここまで来たらウィーク中にあとどこまで縮められるか、やれるだけやるしかない。
去年はやるだけやった結果の更に2秒以上も先に現実があった。今年はきっと頑張った先に予選通過があると信じよう。

おーたとトシには明日の練習で更なるタイムアップを期待しつつ、もてぎを後にする。



セッティングデータ
サスペンション
(フロント)
突き出し+12o→+15o
油面130o
粘度G15
INI最強から5段目
TEN最強から3/4回転戻し
サスペンション
(リア)
車高+6o→+5o
INI+2.5o
TEN最強から12ノッチ
COMP最強から11ノッチ
メインジェットF172/R175


今日のベストタイム
HIRO2分06秒92自己ベスト更新
おーた2分12秒12
トシ2分11秒67自己ベスト更新

〜 今日の教訓 〜

・3時過ぎまで起きてると朝が辛い!

以上

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