第1回公開練習−2日目(6月20日)
作成日:00/07/10
更新日:00/07/13

明けて火曜日、第1回公開練習日2日目。
今日も朝から全開晴れ。6月半ばのこの時期に土曜日から連続で走行の3日間が晴れ続きとは奇跡に近い。


昨日とは違い、パドックに人影はまばら。今日は午前中が一般のスポーツ走行で、公開練習は午後からとなる。


午前の走行は俺もおーたもそれぞれ自分のバイクで2本走る。


レーサークラス1本目の走行を終え、おーたが走っているプロダクションクラスの走行中、ピットでくつろいでいると、プラットフォームでおーたの計測をしているえみゅ〜がこちらに向かって何か叫んでいる。

えみゅ〜:「***ぁ〜。」

俺:「えっ?なに?」バイクの音にかき消されて良く聞こえない。

えみゅ〜:「コケたぁ〜。」

俺:「コケたぁ!?」とっさにモニターを見ると、グラベルに横倒しになったVTRが写っている。

俺:「最終じゃんかっ!」

プラットフォームへかけより、最終コーナーを見る。


俺:「こ、こけやがった・・・。」

おーたは既にバリアの外側へ避難している。どうやら体は無事らしい。
走行時間が終わり、レッカーに乗せられたおーたの帰りを待っているが、なかなか帰ってこない。ピットレーンに出てみると、自分でバイクを押して帰ってくる。


俺:「転倒なんて珍しいじゃん。どした?」

最終コーナー立ちあがりでオーバーランし、グラベル上でこらえきれなくなっての転倒らしく、人間もバイクもほとんど損傷は無し。アッパーカウルに傷が入った程度。


午前中の走行が終了した。



おーた:「どうよ?」新品のD207GPを履いたホイールを俺に見せる。

俺:「あぁ。投入ね。いいんでない。」

去年、パイロットレースを履いてからはずっとそれを使ってきたが、今年のD207GPは去年より相当良くなってるらしいので、試しに使ってみることにした。ストレートエンドのブルブルさえ無ければ旋回性のいいD207GPも捨てがたい。パイロットレースより外径で3o小さい為、フロントの突き出しを3o上げておく。

タイヤ交換

ブリーフィングは、おーたと2人で出席する。
今日はA,Bの2グループで、俺らはBグループ。走行時間は2時15分からの30分と4時半からの40分。両グループともそれぞれ2本ずつでタイム計測は無し。公開練習というよりは、もて耐参加者による無料走行会といった感じ。参加者も昨日よりは全然少ない。

2時15分。Bグループ1本目の走行開始。まずは俺から。5周計測。


この1本は、昨日の走行で感じた事から色々とトライしてみる。タイムは気にせず、とにかく出来るだけのことを試したい。

新品タイヤでコースイン。

まずはシフトポイント。
トルクの山が変わり、去年よりシフトポイントが随分手前になった。9,500回転だったシフトポイントは500回転ほど下回り、9,000回転をちょっと越えたあたりがよさそうだ。9,300回転付近まで多少加速感を感じるが、そこまで回すと今度はギア抜けが激しくなる。1度ギア抜けすると相当回転を落とさない限り再び入れるのが困難になる。かなりのタイムロスとなるばかりでなく、エンジンにもよくない。

1,2コーナー
エンジンがパワーアップした分なのか、エンブレが強くなった。去年のように5速から4,3と落し、バンクを開始した直後のタイミングで2速へ落とすと車速が落ちすぎてしまう。3速で入って3速で抜けようとすると今度は2コーナーの立ちあがりが辛くなる。ここは2コーナーの立ちあがりを再優先にし、1コーナーは殺すコーナーと割り切る。
3速である程度スピードを残して進入し、まだ方向が変わっていないタイミングで2速へ落とす。これをきっかけにして一気にフロントを出口へ向け、直線的に立ちあがる。
このシフトダウンのタイミングが難しく、遅すぎても速すぎても意味が無くなるが、感覚的には一番落としたくないタイミングで落とさなければいけない。
しかし、ここが決まると2コーナーは恐い思いをせず、直線的に気持ち良く立ちあがることが出来る。
ホームストレート5速全開から150メートルでブレーキング開始。去年は120メートル付近までいってたブレーキングポイントも今年はこれが精一杯。ブレーキを握ったまま入っていくと、ギャップに乗ったキックバックが強く、車体が安定するのに時間がかかる。
3速で進入し、ブレーキを離して車体をフリーにしたままなるべくイン側のギャップを通過する。

(ここっ!)

方向を変えられないまま1コーナーを過ぎ、2コーナーへのアプローチで2速へ落とす。

(やべっ。)

クラッチを離してもバイクが進まない。2速へのかきあげでギア抜けしてしまう。突然の事態にパニックし、2速に入れようと思う気持ちが先立ったのか、再度2速へ入れ直し、クラッチを離す。

車速に対し、充分に回転の落ちた所へクラッチを繋いだ為、一気にかかったエンブレの挙動で振り落とされそうになる。
グラッときた反動で右足がステップから落ち、ひざ下が路面に接触するが、なんとかこらえきり、事無きを得る。

(あっぶねぇ。今度こそやっちゃったかと思った。)

3コーナー
リリースと同時にフロントが入った状態でスパッと進入出来ていた3コーナーも何か不安感が残って思いっきりいけない。ブレーキを当てて入っていかないと安定せず、2速で入っても開けるのが遅れる。2速でもたもたやってるんだったらいっそ3速で入ってみたらどうか?

5コーナー
ここもブレーキングポイントは随分手前になった。コーナーへ入ってもフロントの位置が高く感じる。入った瞬間から開け始める事だけ心がける。

130R〜S字進入
S字の進入スピードを徐々に上げていくが、まだまだ上げられるはずの所でフロントは跳ね始める。ここはブレーキを握った状態で入る事が出来ない為、ブレーキングポイントを限界まで奥にとり、思いっきり減速するしかなさそうだ。
130R立ち上がりは4速で引っ張りきって1速落として進入ってのがタイミングも取りやすかったが、ここは5速まで入れ、根性のコーナーポストブレーキングで全開区間を長くする。

S字立ちあがり〜Vコーナー
進入でスピードが落ちてる分、多めに開けて切り返し、いつもより気持ち手前で切り返した直後から開け始める。一瞬でも全閉にする事は無い。ラインも見直し、色々なラインを試してみる。
こことVコーナーはリアの旋回性を感じやすく、気持ち良く立ちあがれる。

ヘアピン
ここはどうにもごまかしがきかない。2速で入るが、クリップ手前で減速しすぎてしまう。だめもとで3速も試すがやっぱりダメに決まってる。1コーナーのように3速で入って2速へ落とすか?

ダウンヒルストレート〜90°コーナー
ブレーキングポイントは200メートルから少しずつ詰めていく。根性で去年のポイントだった170メートルまで試してみるが、かけた瞬間からフルボトムし、姿勢を保つのに精一杯で90°コーナーへのアプローチが遅れ、立ちあがりにお釣りが来る。あまり突っ込んでもかえって遅くなり、意味が無い。

最終手前〜最終
最終手前の左コーナーもギャップがあるので、1コーナー同様フルバンクまでもっていけず、スピードを乗せて入れない。ここは気合と根性意外に思いつかない。
タイムは11秒〜15秒とバラバラ。6周では突き詰められない部分もあったが、クールダウンラップもピットインする直前の90°コーナーまでトライを続けた。
ピットインし、おーたへ交代。


俺の乗り方では全体的にフォークが突っ張った状態となり、圧側も伸側も動きすぎて安定しない。進入でフロントを沈める為にほとんどのコーナーでブレーキを引きずってる。1次で旋回しにくいが、旋回性のいい2次でなんとかごまかして走ってる感じ。

2本目の走行に向け、ライディングのイメージを固める。

ピットとは言え、あまりにもイケてる格好で考え中

リアが相当いいので、なるべくリアを使って走る。開け始めを早くしていけば今のセッティングでもそこそこいけそうな気がする。

俺:(・・・9秒はきれるはず。)

2本目の目標タイムを8秒後半に設定する。イメージ通りに走れれば出るはずだ。
今日最後の走行開始まであと10分。

俺:「ちょっと最後の1本、気合入れて行ってくるっす!」

おーた:「は、はい。」

4時半、Bグループ2本目、今日最後の走行開始。今回も俺から。8周計測。

1周目じっくりとタイヤを暖め、14秒から。
2周目、10秒77。3周目、10秒42。4周目、9秒90。

俺:(9秒入ったか。ここからだな。)

ヘアピンと最終手前だけはどうにもうまくいかない。5周目、9秒87。

ブレーキングポイントも出来るだけ詰める。7周目、S字で遅いバイクに引っかかり、これをうまくかわせず大幅にタイムロス。ホームストレート通過。6周目のタイムは9秒64。最終ラップ。

俺:(あっちゃ。さっきの周8秒入ってなかったか。)

最終ラップもミスが目立ち、10秒そこそこ。結局6周目の9秒64をベストに走行を終える。

ピットに戻り、おーたへ交代。


ヘルメットを脱ぐとgomaと目が合う。

俺:「タイム出ねぇな。」

goma:「出ねぇな。」と言ってプイッとプラットフォームに戻るgoma。

俺:(本当、出ねぇもんだなぁ。)

VTRに乗ってまだ3本目とは言え、この3日間でTZも含め、合計8本も走り続けた最後の走行だっただけに、ちょっとショックだった。
全てがイメージ通り走れた訳でもないが、今の状態では今日出来なかった所が出来たとしても、大幅にタイムアップするのは難しそうだ。感覚的だが、そんな気がした。



今回試しに履いたD207GP。ダンロップらしい旋回性はそのままで、ストレートエンドのブルブルは随分解消され、去年に比べると相当良くなっていた。しかし、パイロットレースに比べると剛性感が無く、フロントは切れ込む感じになるし、リアの滑り出しも早い。悪くは無いが、選ぶとしたらやはりパイロットレースと言うのが2人の結論となった。

次の走行は3耐。もて耐本番までの数少ない重要な練習走行の1つとして参加する。



セッティングデータ
サスペンション
(フロント)
突き出し9o
油面130o
粘度G15
INI最強から6段目
TEN最強から3/4回転戻し
サスペンション
(リア)
車高+5o
INI+2o
TEN最強から14ノッチ
COMP最強から12ノッチ
メインジェットF172/R175


今日のベストタイム
HIRO2分9秒64自己ベスト更新
おーた2分13秒10

〜 今日の教訓 〜

・やっぱタイヤはパイロット!

以上

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